勝ち負けにこだわる生き方をやめて心穏やかな人生に変えるには?

自我とエゴ

数年前に「勝ち組・負け組」という言葉が流行りました。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、それでもいまだに使われる言葉です。

勝ち組と負け組は、世間の価値観を基準にして、人をマウンティングして勝敗を決めることです。
なんとも「イヤハヤ」な言葉ですね。

日本人は他人の眼をとても気にする国民性を持っていて、なんでも比べたがる傾向があります。
同調圧力も強く、みんなが同じような幸せを追い求めるお国柄だから、流行語になったのかもしれません。

しかし、そもそも勝ち組、負け組という言葉は、世間一般の価値観が基準になっています。それなのに、自分に無理やり当てはめ、凹んでしまうことがあります。あなたにとって、みんなと同じような幸せを手に入れることが本当の幸福なのでしょうか?

まずそこから考えていきましょう。

女性の勝ち負けは男性次第!?

世間一般で使われる「勝ち組・負け組」の基準は、お金です。
さらに女性が使う「勝ち組・負け組」の基準には、結婚が加わります。経済的に豊かな男性と結婚できれば、まさに勝ち組と言えます。いまだにどんな男性と結婚するかで、女性の一生が決まると言っても過言ではないようです。

これは、女性が仕事を持っていても、男性の社会的ステータスがそのまま女性のステータスになるという考え方です。

結婚するまで普通だった女性がセレブ男性と結婚した途端、贅沢な暮らしぶりがマスコミに取り上げられ、世間から注目されるのを眼にすれば、玉の輿を夢見るのも不思議ではありません。

年齢に関係なく結婚を望む女性なら誰でも一度や二度、裕福で優しい王子さまと結ばれるシンデレラに憧れます。

より良い男性と結婚することは、より安定した生活を手に入れることにつながると考えるのは、ごく自然です。
出来るだけ「良い結婚相手と結ばれるため」に外見に磨きをかけることも当然の行為ともいえます。

負け組になった女性の気持ち

結婚を望むすべての男女が、理想の結婚相手と結ばれることが出来れば何も問題は起こりません。
しかし、そうはいかないのが現実です。

良い結婚相手の数は限られています。
ほとんどの女性に共通する良いと思える外見や条件は、目に見えるものであり、価値観が似ていれば、同じ相手を狙うことになります。

当たり前ですが、結婚相手は1人しか選べませんので、その結果として、選ばれた勝ち組と、選ばれなかった負け組が出てしまうことになります。

負けたということは、勝った側より価値が低いとみなされ、傷つくのは当然のことです。
表面上は祝福できたとしてても、内心穏やかではいられません。

そして、ただ羨ましいだけならいいのですが、強い嫉妬の気持ちが出てきたら要注意です。
お互いが気遣いうまくいっている場合はいいのですが、どちらか一方でも何でもかんでも比較して競争しだしたら、大変なことになります。

世の中には、選ばれなかった自分の気持ちを満たすために勝者である相手の足を引っ張ることで、少しでも自分の価値をあげようと必死になったりする人がいます。

自分の方が正しく優位にあることを主張しようとやっきになることは、トラブルの原因になります。
結婚関連に限らず、こういった「女の敵は女」や「女の戦い」は、日常的に起こりえます。
複数の女性がいれば、場所を選ばず熾烈な戦いになります。

しかし、自分以外の誰かと比べて競争するということは、無意識のエゴに振り回されているだけです。

エゴは、どんな小さなことでも見つけ出し、競争させるように仕向けます。

相手に勝つため、自分の価値を少しでも上げようと容赦しない様子は滑稽でもあります。

本人は無意識かもしれませんが、周りの多くの人たちは意外とそのことを見抜いていて、冷静な目で見ています。

誰かと競争する前のピュアな気持ちを思い出す

あなたがバックを買ったとします。
使用用途に合った自分好みのデザインですが、予算内におさまったお気に入りのバックです。

ある日、そのバックを持ち、友人とランチに行きました。
友人はそのバッグを褒めてくれ、有頂天になります。

ところが、ふと目にした友人のバックは、高級ブランドの最新バックです。
自分のバックと友人のバックを比べた時、どう見ても目を引くのは高級ブランドの最新バックです。
口では、「そのバック最新だよね!?」「かわいい!」「おしゃれだね!」などと褒めてみても、あなたの心の中では、葛藤が起こるでしょう。

一般的常識だと金額の高いものの方が無条件に価値が高いと思われています。
あなたももしそういう価値観であれば、とてもみじめな気持ちに苛まれて、自分のバックがみすぼらしいものに見えてくるはずです。

ついさっきまで、あなたのお気に入りのバックだったのにも関わらずです。

しかし、ブランド品や金額が高いものがあなたにとって本当に価値あるものでしょうか。
決めた予算の中で買ったバックとはいえ、あなたのお気に入りのはずです。
あなたと友人のバック同士を競争させることは、本当は無意味のないことだと思いませんか?
「わたしにはこれが1番!」とあなたが感じた気持ちこそ大事にするべきもののはずです。

心を穏やかにさせるには競争しないことが大切

わたし達にとって、普段の生活の中で競争心を持つことは、あまり良いこととは言えません。
本来、健康な精神状態ならば、他者と自分を比べて競争させることに意味を見出さないものです。

少しでも自分の価値を上げようとする行為は、自分に自信がないことを表し、結局自分自身の評価を下げる結果になってしまいます。

こういった無駄な競争をしなければ、あなたのこころは確実に穏やかなものに変わっていきます。

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