更年期障害(2)自律神経を乱さない方法(考え方)
更年期障害には、ダルい、頭が痛い、イライラする、眠れないなどなんとなく調子がよくない状態の不定愁訴と言われるものがあります。体質だからと諦めたり、気のせいと言われてしまうこともありますが、自律神経のバランスが乱れることから起こるものです。更年期障害の代表でもあるホットフラッシュの症状も同じ原因です。
更年期障害のほとんどの症状の原因である自律神経は、ストレスの影響を強く受け、心身のあらゆる面に影響を与えます。しかし、こころのストレスに関しては、心理学でいう『認知歪み』というものが関係しているそうです。
特に50代の女性は、自分の積み重ねてきた体験も自分自身の一部になっています。自分独自の考え方がもし更年期障害という症状になっているとしたら、ストレスをできるだけ減らす生き方に変える時期かもしれません。
今回は、更年期障害を改善する自律神経のバランスを整える方法をご紹介します。
認知の歪みとは
認知の歪みとは、いわゆる思考(考え方)が誇張的で非合理的な思考パターンのことを指します。認知の歪みがあると、現実を不正確に認識させ、歪んだ考え方やマイナス気分へとつながりやすくします(Wikipedia参照)。
マイナス思考に偏りがちだと、どうしてもストレスが溜まりやすくなります。認知の歪みは、自律神経のバランスを乱しやすい思考(考え方)です。
自律神経のバランスを乱しやすい人は、繊細です。神経が細やかなので、いつも精神的に不安定です。傷つきたくないという思いが強すぎるあまり、頑固なまでに失敗を恐れます。
自律神経のバランスを乱しやすい人には、特に下記の傾向が強いようです。
1、完璧主義
100点を取らないとどうしても気持ちが収まりません。完璧を目指して、ものすごく頑張ってしまうとさらにストレス倍増です。「~しなければいけない」という強すぎる考え方にも追い詰められます。
2、超ネガティブ思考
基本的に白黒思考なので、たったひとつの小さな失敗でも「すべてがだめになった」、「全部台無し」と考えてしまいます。英語でいう「All or nothing(オールオアナッシング)」というものです。
完璧主義で超ネガティブ思考だと、家庭内だけならまだしも会社に勤めていたらもっと大変な目にあうかもしれません。
実際、わたしが以前勤務していた会社では、真面目でネガティブに考える人とそうでない人の違いがはっきりと出ていました。詳細は伏せますが、失敗すれば即大損害という仕事内容でした。
会社は、”人はミスを犯すもの”だから責めてはいけないとしていても、失敗は許されない雰囲気が漂い、社内はピリピリしていました。ミスが発覚すると原因究明と再発防止のため関係者に聞き取りなどが行われ、まとめられたものが翌朝には発表されます。
その後もずっと過去の事例と再発防止という観点から定期的に社内で共有され続けます。真面目で完璧主義者にとっては、想像しただけでもひどいお仕置きです。真面目でネガティブ思考が強い人ほど、日頃から多くのストレスを抱えるはめになります。
仕事という面はもちろん普段の生活でも、このような考え方をしているとそうでない人よりもストレスは当然増える一方です。また、ストレスを感じやすい人は、ストレスを解消するのが苦手という性質を持ち合わせている場合が多々あります。他の人なら全然気にならないようなことが大きなストレスとなり、蓄積、イライラ、ストレス蓄積・・・という負のループに陥ります。端から観るとどうにもできるように見えますが、本人にはどうにもできない大変な思いをしているのです。
こんな状況は嫌だ!抜け出したい!なんとかしたい!と思ったら、頭の中の考え方の癖を変えるしかありません。
自律神経のバランスを整える方法
1、完璧主義をやめる
長年、完璧主義でいると、ものごとの判断を白か黒か、良いか悪いか、ひとつがダメならすべてだめ、というような2つの視点で行うのが当たり前になっています。いつもジャッジして、とりあえず自分を納得させる考え方はある意味合理的です。でも、非合理なことばかりの世の中に生きるわたしたちにとって、そのはっきりとした二極思考は時には、足かせになります。
たとえば、わたしが仕事を教えるときには、まず基本を教えて、自分のやり方や効率のいい方法、過去にあったトラブルなどを話し、あとは臨機応変にと言います。この臨機応変は、簡単そうで余裕がないとできません。
仕事に限らず、ものごとのあいまいさは不完全さにつながります。あいまいさは、ものごとに余白をつくります。こころも同じで、不完全さがこころに余裕を生みます。
人は、こころに余裕がないと自分の失敗だけでなく人の失敗も許すことができません。完璧主義な人ほど、あいまいさを許し、グレイゾーンを意識するようにしてください。100%完璧を目指すことを否定しませんが、いつも100%は逆に不自然です。ちいさなミスには目を瞑り、80%でも70%でもよしとするこころの余裕を持ちましょう。
2、ネガティブ思考を控える
悲観的な人は、なにかよくないことが起こると「また起こるのでは?」とか、「もっとよくないことが起こるかも?」などとネガティブ思考の周波数に合わせ、ネガティブ思考一色になってしまいがちです。
もし、とても悪い状況になったとしても、それがどん底だったなんてこともあります。ポジティブ思考一色だけだとちょっと問題かもですが、「きっと悪いことが起こる」と決めつけるネガティブ思考一色もよくありません。ネガティブ思考を受け止めつつも、いつでも周波数を変えられる余裕を持って、客観的に考えられる冷静さを取り戻せる柔軟性を持ちましょう。
3、悪い想像ばかりしない
普段からネガティブ思考になりがちな人は、想像力をふくらませて、悪い方へ、悪い方へと考えてしまう癖を発揮しがちです。
誰かにちょっと冷たくされたからと「なにか気に障ることをしたのかな?」に留まらず、「みんなに嫌われてしまったのかも?」と話が大きく発展してしまうこともありえます。
確かに、「ああ、やっぱりね。」とネガティブ思考の想像通りになることもあるでしょう。でも、現実になることの方が断然少ないはずです。悪い想像で、自分自身を追い詰めないようにしましょう。
ポジティブもネガティブもプラスもマイナスもバランスが大切
ネガティブ思考の人は、プラスのこともマイナスのこともネガティブに繋げて考える癖を持っています。お陰で消極的になりますが、慎重さは、厳しい世界を生き抜くためのひとつの戦術になります。
逆に平和な毎日を楽しく暮らすためには、ポジティブ思考の方がやっぱり役に立ちます。ポジティブ思考は、勇気や元気のエネルギー源です。明るい希望や明るい未来を抱かせてくれます。
齢を取ることをプラスに考えるためには、ポジティブ思考を優先させる必要があります。無理をしてまで無駄に明るく振る舞う必要はありませんが、ポジティブ思考になった方がなにかとお得なのは間違いありません。自分や好きな人のために、明るい明日を描くために、なにごともプラスで考える癖をつけていった方が自分のためです。きっと周りも幸せになれます。
ネガティブ思考よりもポジティブ思考、マイナスよりもプラスがいい、でもバランスも大切にしましょう。
ネガティブからポジティブ、マイナスからプラスへ
50代の女性は、ずっとしがらみの中を生きてきたのではないでしょうか?でも、もう終わりにしませんか?少しずつでもいいから・・・。
どんな状況の中にいても、わたしたちのこころは、本当は自由なはずです。
50代は、誰にも支配されないこころを少しずつ取り戻すチャンスかもしれません。この際、思いきってストレスを増やす考え方は、捨ててしまいましょう。
人生を生きにくくさせる元凶になっているとしたら、ストレスをできるだけ減らす努力をしていきましょう。
マイナスからプラスへ、ネガティブ思考からポジティブ思考へ変えていきましょう。