空の巣症候群を自分の力で乗り越える方法~ぽっかりと心に穴が空いたときの対処法~

メンタルヘルス

子どもが大人になり、長い子育てからやっと解放されるとき、

「自由な時間が増える。」

「肩の荷が下りる。」

「楽になる。」

と感じて嬉しいものですよね。

反面、こころにポッカリと穴が空いたようにふと寂しい気持ちになることはありませんか。

そのくらいで済んでいればいいのですが、ひどくなると憂鬱な気分に襲われて涙がでてくる…なんてことは?

何を隠そうこのわたしは、ついこの前までまさにそういう状態でした。

一般的にシングルマザーは、重症化しやすいそうですが・・・(苦笑)

もし、あなたも当てはまるようなら、りっぱな”空の巣症候群(からのすしょうこうぐん)”だと言えます。

女性の更年期(45歳~55歳)は、いろいろなことが重なる人生の転機です。

環境の変化とともに、今までの自分とは「なんか違う」ということが起こりやすいお年頃でもあります。

隠すほどではありませんが、他人にはなかなか言えないこともあるはずです。

今回は、空の巣症候群を克服するために自分の力で乗り越える方法をご紹介します。

空の巣症候群の意味と女性がなりやすい理由

空の巣症候群は、母親の燃え尽き症候群とも言えます。

空の巣症候群とは、生きがいだった子どもが親の手から離れていったときや子育てがひと段落したときなど、燃えつきた状態になったときに感じる寂しさをはじめとする憂鬱な気分などの症状を総称した呼び名です。(参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

母親の燃え尽き症候群とも言われ、一般的に男性より女性がなりやすいものです。

男性は、元々子育てよりも仕事に重点を置き、年齢的にも責任ある立場になっている年代です。

かたや、女性は子どもを身ごもり、子育てにも主体的に関わっていくのが一般的です。

仕事を持っていても、育児に関わり続けることで、より母性は強くなっていきます。

頭で考える男性よりも感情豊かな女性のほうがどうしても子どもからの影響を受けやすいものです。

さらに子どもが巣立つ時期は、女性ホルモンが減少する更年期の年齢です。

子どもの母親という役目と女性という立場(性)の揺らぐ時期が重なることで、心身ともにダブルパンチを受けます。

空の巣症候群の症状

精神的な症状

・無力感がある

・空虚感がある

・孤独を感じる

・やる気がでない

・ものごとに興味がわかない

・自分に自信が持てない

・将来への不安を感じる

・ネガティブ思考になる

・集中力がない

・なぜかイライラする

身体的な症状

・突然、涙がでる

・食欲がでない

・寝つきが悪い

・眠りが浅い

・頻繁に頭痛に襲われる

・胃がムカムカする

・首や肩の凝りがある

・体が重く動くのがおっくう

心身が抑うつのような状態なので、症状が強いときは精神障害が疑われます。
早いうちに家族や周囲に相談する必要があり、信頼できる専門病院での検査をお勧めします。

空の巣症候群になりやすい人の特徴

・子どもが生きがい

・趣味と言えるものがない

・内向的で引きこもりがち

・家族関係に問題がある

・基本的にコミュニケーションが少ない

・ストレスを溜めやすい

・生真面目なところがある

・完璧主義の傾向がある

・自分以外を最優先に考える

・繊細である

・周囲の影響を受けやすい

・変化に弱い

わたしの空の巣症候群

巣作りする鳥や動物のようにわたしも3人の子どもたちのために、一生懸命に我が家という名の巣をせっせと作りました。

未熟な母親のわたしが作った巣は、張りぼてでつぎはぎだらけです。それでも大切な我が家でした。

その後、離婚をして、我が家は母子家庭になりました。

世間と比べれば不十分で 危うい巣で育てられた子どもたちは、早く大人になる必要がありました。

20歳を前に早々と巣立ち、気がつくと子育て終了です。

わたしは、子どもの世話から次々解放されて、「どんどん楽になっていく。」と思いきや、次第に憂鬱な気分になっていきました。

独りでいると、時々意味もなく涙まで出る始末です。

子どもたちは、とてもとても大切な存在であると同時にわたしの生きがいだったのです。

まさに「失ってみて初めて気付いた」とは、このことです。

子育て真っ最中は、「子育てが早く終わらないかな~。」と子どもが自立する日を指折り数えて、自由になったときの想像をふくらませていました。

当時は、ポッカリと空いたこころを持て余し、嘆く日々がやってくるなんて思いもしませんでした。

誰かと一緒にいてもひとり取り残された気分に襲われ、空っぽになったこころには空虚感が広がりました。

「わたし、どうしちゃったのかな?」と不思議ちゃん状態です。

子どもが巣立つことは、本来とても喜ばしいことと分かっているのに・・・。

空の巣症候群は親子関係を見直すチャンス

空の巣症候群は辛く苦しいものですが、子どもとの関係を確認できるチャンスです。

わたしは、元々コミュニケーションが得意ではなく、自分の子どもはいとおしいけれど、どう接していいかわからず、子育ては苦手でした。

でも、重荷だったはずの子どもたちがいつの間にかかけがえのない存在になって、わたしに存在価値を与えてくれていました。

そして気がつかないうちに人生の一番の生きがいになっていたのです。

わたしは、”空の巣症候群”になったお陰で、改めて子どもとの絆を意識できました。

親は子どもに育てられると言いますが、子育て中だけでなく、子育てが終わった後も学べることは、まだまだ出てきます。

子どもが巣立った今だからこそ、子育ての経験をさせてくれた子どもたちに素直に感謝できるときです。

あなたも子どもとの関係を前向きに見直す機会だと思ってみては、いかがでしょう。

空の巣症候群を克服して人生100年を生き抜く

空の巣症候群のときは、とても苦しく辛い時期です。

やりたいことを始めてみても、あまり夢中になれません。

生きている意味を見いだせず、自分の存在価値がないように感じるときもあります。

もちろん、環境の変化にこころがおいてけぼりにされているだけなのですが。

人生100年時代の今、アラフィフはやっと中間地点に達したところです。

どんな風に生きていても、命あるかぎり、この世界にあなたは必要とされています。

いま、あなたが燃え尽きてしまっているのは、肉体的にも精神的にも一生懸命によく頑張った証しでもあります。

あなたは、大切な命を授かり、りっぱな大人に育て上げるという偉業を成し遂げたのです。

これからあなたは、再びスタート地点に立ちます。

今は、新しいエネルギーを充電させる時間だと思ってください。

あなたには十分な休養が必要なのです。(症状によっては、医療の力も必要になるかもしれません。)

人生の途中下車を自分に許し、いまは自分のこころと体をいたわりましょう。

人生の次のステージで生き生きとするためにも、いまの自分を受け入れてあげてください。

そして症状が軽いときには、「やっと子育てから解放されて自由になることができた!」と前向きに考えてみましょう。

子育て中、諦めたことや子どもが手から離れたあとにやりたいと思っていたことがたくさんあったはずです。

いろいろ調べたり、計画したり、少しずつ実現に向けて動いてみてください。

あなた自身が夢中になれるものがきっと見つかります。

もちろん、体調がすぐれないときは、無理をしないことが鉄則です。

周囲に何を言われても、自分を一番に扱ってください。

あなたは、子育てというとても大きな仕事を終わらせたのですから、大きな顔をしていていいのです。

心身を休ませることを最優先に考えてください。

子どもという生きがいをなくしても、人生はまだまだ続きます。

焦らず、毎日を淡々と過ごしているうちにまた元気が戻ってくる日がきます。

あなたが子どもから自立することができれば、自分の人生も取り戻せます。

人生100年の時代を生き抜くためにも、明るい未来を信じましょう。

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