50代女性の脳の鍛え方と活性方法~前頭前野~

人生について

50代はなにかとピークを過ぎる年代です。

一般的には、精神的には熟成する方向に向かっていくと考えられていますが、それ以外のほとんどは老化という心身の衰退に向かっていきます。

様々な問題を抱えていても50代の女性は、まだまだ働かなければいけない年代です。物忘れや失敗が増えると歳のせいと思っても自分を責めて落ち込みます。それでもまだ頑張らないといけません。仕事をもっていると、身体的な面はもちろん、脳に関係する面は特に問題です。

そこで、最近注目されてきた脳科学の分野から、脳の前頭野に位置する前頭前野という部位を探っていきます。

1、人間らしさを司る脳の前頭前野の特徴

頭の回転の早さと脳機能の発達には、持って生まれたものと養育環境が関係しているそうです。

通常の子どもの脳は、本能的な面を司る後頭部から人間と言わしめる面を司る部分がある前頭部へと徐々に発達していきます。幼い子どもにとって、この世はなにもかもが目新しいものばかり。意識しなくても毎日が刺激にあふれ、脳は自然と鍛えられていきます。

その中で、10代でピークがくるのは、人間の脳の前側にある前頭前野です。知的に関わる部位で、意欲、発想、創造、思考のスイッチ、感情のコントロールなどの他にも作業記憶という人間らしい高次機能を担う最高中枢と考えられています。

脳の最高中枢である前頭前野は、脳の司令塔とも言われますが、脳の縮みという老化が脳内で一番早く始まります。

前頭前野の老化は、本人が自覚しにくいものです。
歳を取るとだんだん頑固になってしまうのは、その影響があるかもしれません。

2、前頭前野がもってる能力

様々な働きをする脳の司令塔である前頭前野は、日常生活に大きな影響を与ええます。

2ー1 抑制機能

前頭前野の能力のひとつには、欲求を抑える抑制機能というものがあります。なにかを我慢することに直結するもので、感情や欲求のコントロールをします。

2ー2 頭の回転が早いとは

相手の気持ちや性格を考えて、振る舞い方や話す内容を判断して、その場に応じた気の利いたひと言を瞬時に言える人は、頭の回転が早い人です。空気を読むのがうまいとは少し違います。そもそも豊富な知識と経験を積み、ちゃんと覚えて、実践で使える人です。突発的なことにも対応できるという意味でも、その分野のスペシャリストといっても過言ではないかもしれません。社会で活躍している人の多くは、頭の回転が早い人です。

昔のドラマタイトル『渡る世間は鬼ばかり』ではないにしても、複雑な人間社会をうまく渡っていくには、それなりのコミュニケーション能力が必要です。思ったことをそのまま口に出していては、気づかないところで角が立つときもあります。意図せず湧いてくる喜び、嫌悪、怒り、恐れなどの情動をそのまま表に出さないようにコントロールをしてくれる前頭前野は、人間関係の中でとても重要な役目をしています。

普通に生活する50代の女性であれば、一定のコミュニケーション能力がすでに備わっているはずです。わたし自身は、人間関係を難しく考えてしまいがちなので、先のことを考えると日頃から活性化させておく必要がありそうです。

3、脳の前頭前野の鍛え方と活性方法

前頭前野は、脳の中で真っ先に老化していきますが、意外と簡単に活性化させる方法があります。

脳の司令塔と呼ばれ、意思や計画性、判断、創造、記憶う、抑制、集中などの人間の行動のキーになる働きを司っている前頭前野は、「いつもと違う」という刺激や人との関わりの中で鍛えられ、活性化していきます。

・生活リズムを整える

なんにしても規則正しい生活やバランスの取れた食生活は、健康の基盤になります。

・料理をする

段取り力が必要な料理は、ボケ防止によいとされますが、前頭前野にもよい影響を与えます。ただし、いつもの料理をいつもどおりではあまり意味がありません。定番でも早く作るとかといういつもと違う感覚を与える工夫が必要です。予算・買い物・段取り・挑戦・カロリー・栄養といった面に注目して、いつもと違う方法を試しましょう。いろいろ工夫して、SNSへ投稿するというのもひとつの方法かもしれません。

・処理能力(反応速度)を高める

慣れたことでも、だらだらやるよりスピードアップを心掛けると前頭前野への刺激になります。ただし、頭を使う計算をしてもひたすら足し算をするなど惰性で行うような計算では、効果が下がります。

前頭前野に刺激を与えるという意味と脳機能を高める上で重要なのは、いまより能力を高めるためのトレーニングです。

・コミュニケーション

前頭前野にとって、コミュニケーションはとてもよいものです。ネット回線や電話でつながるよりも直接会って会話をすることで、さらに効果が期待できます。相手に直接接すると、話す内容の他に五感をフル活用する必要性が出てきます。脳には、大きな刺激となります。

・笑う

笑うことは、脳にはいい刺激になります。ただ笑顔を作ったり、誰かを笑わせようとダジャレを考えるだけでも効果が期待できます。

・いいところを探す

人は、基本的にネガティブ思考になりやすいので、自分がいいなと思えるところへ意識を集中させる努力をすると脳が活性化しやすくなります。そういった意味でも、自分の得意なことを考えたり、家族や住んでいる場所のいいところを探すこともお勧めです。

・面倒なことをする

年齢を重ねると面倒なことをつい避けたくなりますが、手が掛かることは脳を鍛えます。前頭前野の活性化のためには、面倒でも進んで取り組みましょう。

・気持ちを込める

日常的なことでも、感情が動くことは前頭前野への刺激になります。愛情を込めて料理をするなど、日頃から豊かな感性を意識しましょう。

・叱られる

叱られることも前頭前野には刺激になります。50代になると叱られることがあまりなかったり、年下に注意されるとショックだったりしますが、もし叱られてもよいチャンスになったと前向きに考えましょう。

不快なストレスや不安感でも、前頭前野には刺激となり、活性化の要因になりえます。ある程度のストレスは、必要悪?かもしれません。

3ー1 前頭前野が老化したり障害を受けると

前頭前野が老化したり、障害を受けると、周囲に対して無関心になり、抽象的な思考ができなくなり、記憶障害や認知症などが起こります。また、この領域の代謝や脳血流の低下が見られる人には、うつ状態もあります。

4、もう50代だからと諦めない女性を目指す

私たち50代の身体は、結局使わないとダメになるようです。情報社会の現代では、素人でも知識を得ることが可能です。こころと身体の健康を保ちたいと思うなら、歳だからとただ諦めるより、日頃から気を付けることで改善の見込みもあります。

いろいろと問題を抱えている50代女性が多いと思いますが、大きなストレスも乗り越えた後の自己効力感(できるという意識)や達成感は、自信につながるものです。自分を労りながらも、できることはしていきましょう。

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