タロット占いの詳しい解釈と意味 大アルカナ『皇帝』(THE EMPEROR)
あなたには、人生の目的がありますか?たとえ、目的がはっきりしていなくても、生きている間は、どんな人も自ら運命を切り開いていきます。自分の人生のシナリオライターであり、主役なのです。皇帝のカードは、人生という現実を完璧に支配することも表しています。
『皇帝』の説明と解釈
ライダー・ウェイト版の大アルカナのⅣは、皇帝(The Emperor)です。皇帝のカードは、暖かい色使いですが、怖さを感じます。Ⅳの意味は、安定と現実です。
カードの背景に見える空は、一瞬オレンジ色にも見える女帝のクッションとまったく同じです。魔術師の背景と同じ黄色でも、血の雨のように赤い縦線が入っています。黄色い空は、なんの障害もないことと創造性を表しています。赤い線は、強い情熱と熱い血潮です。勢いのある行動力を示します。
その下の皇帝の両脇には、険しい岩山がそびえたち、2つの峰が見えます。皇帝の左側の山は、空の赤い色に照らされながらも、黄色に輝いています。黄色の山肌は、女帝のカードの黄色い空の影響もありそうです。山裾には、女帝のカードに描かれていた川が流れてきています。その様子から皇帝と女帝は精神的につながっていることが分かります。
そして地位と名誉と財産、感覚的なことなどの目に見える面での豊かさをすべて手に入れています。右側の山は、左の山よりそびえ立ち、山裾の川面も含めてオレンジ一色です。オレンジ色は、黄色と赤色が混ざった色です。創造性と情熱と行動力が調和しています。さらには感情を表す川も加わることで、潜在意識のレベルから完全に支配しています。難攻不落の安定した組織で、いままさに絶頂期を迎え、無敵な状態だと言えます。
皇帝が座る玉座は、どっしりとした強固な石で造られています。頑丈そうな玉座は、強い意志を感じますが、冷たい印象です。その玉座には、するどい眼つきをした牡羊の顔が4か所に彫られています。前側の2頭は、正面を向き、後ろ側の2頭は、それぞれ左右を向いて、周囲を見張っているようです。牡羊は、神に仕える聖獣です。
また男性性のエネルギーを持つ火星でもあります。4は、四大元素の風・水・地・火、情熱面・感情面・知識面・物質面など様々な意味を持つ数字です。四角四面の安定の4は、それらすべてを支配し、バランスを保っている証拠でもあります。
皇帝がかぶっているのは、黄金に輝く立派な王冠です。
一番上には、無限の記号が飾られ、その下には3つの白い宝石と2つの赤い宝石が埋め込まれています。彼は、情熱よりも神聖な部分を強く意識して、無限の力を得ています。
手には、正当な王の象徴である金色の短い王笏(しゃく)と玉の宝珠を持っています。右手の笏の先は、エジプト十字とも呼ばれるアンクを模しているようでもあり、金星マークのようでもあります。アンクとは、生命あるいは生きることを意味する言葉です。またTは男性性、〇は女性性とも言われています。エジプト十字は、物質世界を支配していることを表しています。左手に持つ球体は、地球や水晶という解釈もできますが、よく見ると何かの入れ物に見えます。中見は、今までに手に入れ、支配しているものでしょうか。
彼は、青い鎧に身を包み、さらにその上には赤と赤黒い衣を身に着けています。勇ましい姿に使われた青は、鎮静の色です。彼は、落ち着いた精神状態を保ち、戦いの中でも冷静に対応できます。そして青い鎧の上に羽織っている衣は、燃えたぎる炎のような赤色です。冷静さを覆い隠しそうなほど強い情熱のエネルギーも持ったパワーあふれる人でもあります。
石の玉座に座る皇帝は、真っ白い髪の毛にたっぷりな毛量のひげを蓄え、とても威厳ある態度です。彼は、強い意志を持って戦い続け、様々な経験を乗り越え、人生を切り開いてきました。その結果、ものごとを見極める力を得て、すべてを手に入れることに成功しました。完全なる権力をもつ支配者となった彼の瞳は、険しくも自信に満ちあふれています。
皇帝のカードは、男性を象徴することもあります。正位置での特徴は、自信にあふれ、リーダーシップの才能がある人です。社会的責任を果たし、自分の力で成功を勝ち取っています。責任ある立場や支配的な立場にいて、最終決定を下す役割や中心的な存在です。自分が成し遂げてきたことを誇りに思い、自分の世界を築くことを望んだ結果、ときには孤高の人になることもあります。
『皇帝』正位置の意味
・権力やコントロールする力を手に入れます。
・ゴールや計画が実現します。
・計画が成就します。
・結果が明らかになります。
・経営や管理などがうまくいきます。
・秩序をつくります。
・しっかりとした組織を作ります。
・思い通りに支配します。
・正式な連絡がきます。
・リーダーシップの役割を引き受けます。
・法や規則を守ります。
・成長へと導きます。
・保護したり、防御したりします。
・権威に直面します。
・欲しいものを手に入れます。
・感情的なことにはあまり興味がありません。
キーワード
・論理的思考・行動力・指導者・父性・良い父親・保護者・家族を養う役割・成熟・安定・孤独・頑固・自立・分別・信頼・権威者・多くの経験・影響力・情熱
『皇帝』正位置の具体的なリーディング例
人間関係全般
行動力があって、感情に流されないわりに情熱的な相手と信頼関係を築けます。父親との関係が深まるか、お父さんのような人と縁があるかもしれません。
パートナーがいる場合…少し頑固で強引な面があるもの真面目で頼れるパートナーに安心感を持てます。ひと昔前の理想の夫のイメージそのものです。
パートナーがいない場合…真面目で包容力のある男性と出会いがありそうです。その男性は、管理職や公務員の可能性があります。
こころに思う人がいる場合…お父さんのように頼れる人が2人の関係に影響を与えそうです。
仕事面…管理職の上司と縁があります。彼は、とても頼れる上司です。安心してついていけます。良い方向で努力の結果が出ます。
健康面…頼れるお医者さんか頼りになりそうな人が見つかりそうです。健康的な生活を送ることがより良い効果を生みます。
経済面…経済的に頼れる男性のお陰で安定します。よく考えてから買い物をするようにして、投資よりも地道に貯金していく方法がお勧めです。
『皇帝』正位置の意味まとめ
皇帝のカードは、魔術師が成長した姿です。皇帝は論理的な考え方で、観察や分析をします。そして実践的な方法と持ち前の行動力で、アイデアや計画・目標などを形にして成就させました。また、真実または物質を現実化した世界を表しています。
とは言え、真面目に努力してようやく得た結果です。着実に目標へたどり着けるように今の状況をしっかりと見極める必要はあります。
『皇帝』逆位置の意味
・計画や目標が具体化しません。
・空振りの行動に終わります。
・動きがありません
・計画を立てる能力がありません。
・状況をうまく利用することができません。
・人の上に立つ器ではありません。
・権力を誤用します。
・荷が重すぎてお手上げ状態です。
・分別のない行動をします。
キーワード
・無秩序・無能・幼稚・依存症傾向
皇帝のカードが逆位置での男性の特徴は、計画や状況をうまくまとめる能力がありません。リーダーシップを取らなければならない立場にいても力不足です。非現実的で偏った考え方なので、現実のことにうまく対処しきれず、逃げ腰になってしまいます。あまりに荷が重過ぎるとお手上げ状態に陥ります。
『皇帝』逆位置の具体的なリーディング例
人間関係全般
混沌とします。行動しても、期待通りの成果が出ず、無駄に終わるだけです。大人の振る舞いができません。
パートナーがいる場合…依存的傾向があります。目の前の現実にうまく対応できず、ギクシャクした関係になりそうです。
パートナーがいない場合…出会いがあっても、信頼できる相手ではありません。相手のペースや雰囲気に流されて楽しい時間を持てても、結局傷つきます。もし関係を迫られても、ただの遊びだと考えた方が無難です。
こころに思う人がいる場合…状況がよくありません。邪魔が入るか、相手に問題があるか、しばらく進展なしの現状維持でいた方がよさそうです。
仕事面…期待通りの成果も評価も得られません。能力不足の人と縁がありそうです。ただの自己満足では、良い結果につながりません。信頼できる周囲の人のアドバイスを素直に聞いて、臨機応変に対応することが大切です。
健康面…アルコールなどへの依存症の傾向があります。甘いものも要注意です。偏った食生活やルーズな生活をしていませんか?欲望に流されて暴飲暴食を続ければ続けるほど、将来そのツケが大きくなって返ってきます。
経済面…無計画に必要のないものを衝動買いして、散財します。儲け話に乗っても、うまくいきません。
『皇帝』逆位置のまとめと対策
逆位置の皇帝のカードは、無活動や計画が空中分解することを意味します。意気揚々と動いてみてもパッとしない結果で終わります。状況やタイミングどうこうよりも、すべては能力に問題があるのです。
『皇帝』の解説まとめ
皇帝のカードは、父性も象徴します。特徴は、守ったり、統制してバランスを保つなどです。
生んで育てるという分かりやすい母性とは違いますが、必要不可欠なものです。強い信念と行動力を持った魔術師は、厳しい試練を乗り越えて皇帝になりました。様々な経験の中での努力が実り、すべてを完璧に満たす術を身につけています。さらに平和を保つには秩序が重要であることを理解し、支配力も持っています。人生に深い意味をもたらすものは、目に見える外面的な成功よりも内面的な充実であることを悟っているのです。
彼は、周囲の人たちを守り導く大きな力を持ち、実際に発揮しています。皇帝のような人格の持ち主が人の上に立つべき器だと言えるのではないでしょうか?