悲観的な性格をなおすよりも大切なこと

メンタルヘルス

若い頃は、中年になればドーンと肝が座った性格になるものだと思っていました。

ところが実際は、どうでしょう。

調子が良いときは、「酸いも甘いもかみ分ける」ことができますが、増えていく経験に比例するかのように心配ごとは増えていきます。50歳を越えると老後や病気の心配も定番に仲間入りです。ただの心配性ならまだしも悲観的な性格だと人生を楽しむどころではなくなってしまいます。できることなら、悲観的な性格をなおしたいですよね。
今回は、悲観的な性格をなおしたいと思ったあなたにやってほしいことをまとめてみました。

悲観的になる原因

悲観的とは、『先行きに望みはないと考えるさま。望みのもてないさま。悲観的状況・悲観的に考える。(出典goo辞書)』ことです。

悲観的な性格の人は、どうしても1人で悩み、行き詰まってしまいがちなので、内向的で暗いイメージがあります。しかし、外交的で明るい人だからといって、悲観的な思考と無縁というわけでもありません。

(1)様々な宗教的思想では、人間は究極に悲観的な存在だとされています。仏教の教えには、この世の本質は苦悩と煩悩であるという『一切皆苦』という言葉があるほどです。誰もが四苦八苦しながら生きていく宿命だというのです。

(2)悲観的なものの見方や不安は、危険を避けて無事に生き抜くための危険予知能力のような役目を果たす本能のひとつと考えられます。悲観的な人や心配性の人は、危険予知能力が優れていたり、石橋を叩いて渡る慎重派とも言えるのです。危険を早めに察知して、最後まで生き残れる人なのかもしれませんね。

(3)日本人は、欧米人に比べると遺伝子レベルで悲観的な思考になりやすい傾向にあるそうです。

優れた危険予知能力を持つ日本人が、心配性はもちろん悲観的な性格になってしまうのもうなづけます。

人間は悲観的な生きもの

悲観的な性格の人は、どうしてもいい面より悪い面に意識がいきます。ちょっとしたことでも重く受け止めてしまい、思い詰める傾向が強くなります。

本音を隠して明るく振る舞える性格なら問題ありませんが、どよーんとした暗さを漂わせると途端に話しかけづらいオーラに包まれてしまい、周りに悪い影響がでます。(個人的には、楽観的な性格の人よりも深みがあるように見えて、好ましいと感じますが。)

悲観的な性格になってしまったのは、不安や不満を抱えやすく、悲観的に考えてしまう癖のせいです。ただの癖ですが、周りに迷惑をかけることがあります。なにより自分自身が自分の思考や感情の責任を取るのですから、やっかいです。自分が楽に生きるためにも悲観的な性格をなおしたいと思うのも無理がありません。

日常生活では、悲観的な性格の悪い面(デメリット)ばかりが目立ちますが、良い面(メリット)もあります。

~悲観的な性格のメリット~
☑最悪の事態を想像して行動できる。
☑いわゆる危機管理能力が高い。
☑なにか悪いことが起きても心構えができているので、「あ~やっぱりね」となる。
☑思い通りにならずにガッカリすることが少なくてすむ。
☑逆に良いことが起きると嬉しさ倍増。
☑慎重になれる。
☑気配りができる。

悲観的な思考でも前向きにとらえて建設的に活かそうとしたり、開き直ってしまえれば、気持ち的には清々しく感じられます。

問題になるのは、頭の中がパニックになったり、動けなくなるほど悲観的に考えすぎて悩んでしまったときです。

悲観的な性格をなおす方法

そもそも人間は、みんな悲観的な生きものです。
悲観的だからこそ、この歳まで生き延びることができたと言えます。
長年連れ添った悲観的な思考の根本的な解決は、諦めたほうがよさそうです。
もちろん、悲観的な性格をなおすための近道もありません。
すぐになおすことは、「どうせ、できっこない」のです。
頑張ってなおそうとしても七転八倒します。

(1)とりあえず何も考えず一旦受け入れる。
この際、自分は「悲観的でなにが悪い!?」くらいに開き直って悲観的な性格を受け入れてみると楽な気持ちになれます。
悲観的になっているときは、「そういえば」と過去の失敗を想い出したり、「きっとダメだろう」と未来を予測してみたり、原因を探し出そうとしたり、自分を責めてみたりして、いろいろな思いが芋づる式に頭に浮かびます。
不快な状況から逃れようとすればするほどドツボにはまっていくのです。それよりも今に集中してみてください。
「緊張して失敗しそう。わたしはやっぱりダメだ。」から、「わたし、すごい緊張してるな。ダメで元々だから失敗してもいいや。」くらいに思えると意外と緊張感が和らぎます。
今、感じている悲観的な感情を無理に否定しないでちゃんと向き合えると解決方法の糸口が見つかることもあるのです。

(2)悲観的な感情にふたをするよりストップさせて、いまできることをする。
悲観的な感情はふたをするよりもしっかりと認めてください。そのあとで、「いくら考えたってしょうがない」、「ネガティブになっちゃったけど」、「悲観的になっちゃったけど」、「じゃあ、どうしたら悲観的な状況から抜け出せる?」などと頭の中を切り替えるのです。悲観的思考に全力で取り組んで、悪あがきしてもろくなことにはなりません。深刻にならないところでストップさせて、できるだけコンパクトにおさめることを心掛けることです。悲観的な思考は、一旦置いて、いまできることをしてください。気が付くと「なんとかなりそう」の方に意識が方向転換していることがあります。

(3)こころを疲れさない。
悲観的な性格の人は、どうしても楽天的な性格の人よりいろいろと考えてしまう傾向です。さらに不安感は神経を衰弱させ、ストレスを強く感じさせます。疲れたら休むのは当たり前ですが、疲れる前にこまめに身体を休ませる工夫が必要です。日頃からバランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠を心掛ける他に、悲観的な性格がフル回転する状況をつくらないことが大切になります。ストレスになる場所や人、マイナス感情からできるだけ離れることが一番効果的です。

悲観的な性格をなおすよりも大切なこと

悲観的になってしまったときは、その思考を認めてください。
そして悲観的な自分の様子をもう一人の自分になって俯瞰してみましょう。
つい悲観的になるのは、思考が悲観的になってしまう癖のせいだと感じるはずです。
そしてこころが悲観的思考に乗っ取られても、実際にあなたのまわりでその状況に巡りあうことはほぼないと思えるはずです。
(わたしの場合はどっぷり悲観的思考に浸かって悲しい気分になりますが、そのまま認識⇒俯瞰することで、そこまで悲観する必要がないことに気が付くことがよくあります。その時点で、思考はストップ⇒他のことに意識を向けるようにしています。)

わたしたち人間がどうしても悲観的になってしまうのは、生き抜くために必要な能力のひとつだと考えると、悲観的な性格を全否定できません。
心配性で悲観的に色々考えてしまう人はそうでない人達より、余分に悩みながらもいろいろなことをなんとか乗り越えてきました。
今日まで頑張って生きてきた自分自身に「よく頑張ってきた。」と褒めてあげてもいいのではないでしょうか?

40歳後半から50歳前半のアラフィフ世代は、自分の性格を変える最後のチャンスかもしれません。
本当に変わりたいなら、他でもないあなた自身が本気になって取り組む以外はありません。
長年培った性格はすぐには変わりませんが、あなたには変える力があるのは確かです。
あなたの性格は、あなたにしか変えられません。
更年期障害で余裕がなければ、悲観的な性格と上手に付き合う方法を模索するだけでもいいと思います。

(悲観的になりすぎると「わたしはなんてだめな人間なんだ」とやる気がなくなります。ひどくなると自分の存在価値を疑い、「いなくなったほうがいいのでは!?」と死にたくなります。
どちらもこころの病気にかかっている可能性大です。早急にお医者さんへ相談してくださいね。)

どうか、あなたにとって楽しい経験が増えていきますように・・・。

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