孤独感は孤独の力を磨いてくれる~アラフィフから始める孤独のレッスン~

感情

新コロナウイルスの感染対策として緊急事態宣言が出ている中、ますます孤独になってはいませんか?

アラフィフ世代は、目まぐるしく変わる世の中で日増しに老いを感じ、不安が頭をよぎることが多くなる年代です。

とくに人生の転換期に立つ50歳代は、孤独をひしひしと感じます。

わたしたちは、独りで生まれて独りで死んでいく間もずっと孤独を抱えていかねばなりません。

孤独の正体を知って、少しでも肩の荷を下ろしましょう。

孤独とは

孤独とはひとりぼっちのことですが、大勢の友だちに囲まれ、一緒に生活している家族がいても孤独を感じてしまいます。それぞれの環境が違っていてもこころの中には孤独が住んでいます。

孤独とは一体なんなんでしょう。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると

ほかの人々との接触・関係・連絡がない状態を一般に指す。
孤独感とは、自分が1人であると感じる心理状態を言う。
大勢でいる中で、「自分は誰からも受け入れられていない。」、「理解されていない。」、他者との交流があっても当人が主観的に受け入れられていないと考えてしまえば孤独といえる。

・他人から強いられた場合は、隔離

・社会的に周囲から避けられているのであれば、疎外

・単に1人になっているのであれば、孤立

・ほかを寄せ付けない気高い様子は、孤高

宗教では智慧や悟りのを得るための修行の一環としての役割を果たし、タロット隠者のモチーフとなったとされています。

現代は生き方が多様化したせいで、置かれる環境は千差万別です。
40歳台~50歳台の年代では、結婚してる人、バツイチの人、子どもがいる人、ずっと独身の人、働いている人、専業主婦の人、家族と暮らしている人、1人暮らしをしている人、介護に追われている人・・・など様々な状況があります。

どんなに状況が違っていても共通点は、こころの中の孤独です。人は、どうしても孤独を感じてしまう生きものです。生きている限り孤独からは逃れられません。

なぜ孤独を感じるのか(1) 

人は、社会性をもち集団で生きる傾向が強い生きものです。1人だと寂しい気持ちになり不安を大きくさせるので、孤独を感じてしまいます。年齢を重ねていくと物理的にも孤独になりやすいようです。

家族や友だちが減ったり、日常の生活活動や交際範囲が固定化されるなどして、社会とのつながりが減少していきます。人によっては、死を意識するようになり、さらに孤独を感じやすくなるのです。

独身で1人暮らしをしていれば、必然的に孤独になります。強い孤独感があってもよい家族や友だちに恵まれていたり、仕事関連や趣味のサークルなど交際範囲が広く頻繁に交友関係があるなら、孤独感は癒されるかもしれません。しかし、家族とは疎遠で交際範囲が狭まり友だちの数も少なくなる一方だと、「最近誰とも会っていなかった。」なんてことになります。そうなると本物のひとりぼっちです。家にいて気が付けば孤独・・・そして無性に寂しくなって孤独死が頭の中をよぎり、いてもたってもいられない不安を感じてしまいます。元々、人付き合いが苦手な人は、他人事ではないはずです。

実際、わたし自身も元々人付き合いがあまり得意ではなかったため、バツイチになった頃から友だちに会う頻度が減り、ほぼ年賀状のやり取りだけになりました。その上、引っ越しと転職を繰り返し、子ども達が巣立っていく中、空の巣症候群に陥りました。更に生まれて初めての1人暮らしが孤独に拍車をかけます。

若い時の夢だった1人暮らしは自由で快適な反面、ときどきやってくる寂しさが人恋しい気分にさせます。そんな時は、ひたすら孤独に耐えるのみです。

なぜ孤独を感じるのか(2)

『自分のことばかり考えていると孤独になる』は、有名な詩人のヘルマン・ヘッセの言葉です。

孤独を感じやすいかどうかは遺伝的な要素がありますが、その人の性格からくる思考も関係します。それは「他人を信頼できるか?」ということです。他人とポジティブにつながった経験が少ないとどうしても孤独感を持ちやすくなります。

自分から関わっていく勇気がない人は、「自分は誰からも理解されていない」、「誰とも本当はつながっていない」と自分かわいさのあまりネガティブなことを考えがちです。周囲で仲良くしている人たちを見ると劣等感に苛まれてますます孤独感を深めていきます。自分にばかり関心を向けていると孤独をいっそう強めるだけです。

わたしはこころが弱くなると、自己評価が一気に下がり、人を信頼できなくなります。仕事は普通になんとかやっているようでも、こころの中では恐ろしいほどの孤独感に襲われているのです。仕事仲間と同じ仕事場に一緒にいても、自分だけ離れた別の空間で仕事をしているという錯覚を覚えるほどです。怯えたこころは、普段は気が合うと思っている人たちとのおしゃべりも会話がちょっとずれると疎外感一色になります。そして孤独の闇にワープします。

なぜ孤独をおそれるのか(1)

日本では、空気を読むことや協調性を大切にするあまり群れないと生きにくい文化になっています。
やたらと群れたがる人は、1人になることを極端に恐れています。寂しさを紛らせるために、いつも一緒に行動したりおしゃべりしたりする人を求めています。

多少合わなくても一緒にいれば自分の存在感が満たされ、不安を感じる暇がなくなります。いつも人に囲まれ、ただ周りに流されている方が安心で、それが普通だとなんとなく考えています。

典型的な村社会では、1人でいることは普通ではありません。一般的にはどうしても否定的になってしまい、孤立無縁のように取られる傾向が強いようです。

なぜ孤独をおそれるのか(2)

現代は、孤独死(主に1人暮らしのものが誰にも看取られずに当人の住居内で死亡すること)が取りざたされるようになったせいで、孤独は忌み嫌われます。でも孤独死はあくまでも孤立死です。

孤立と孤独の意味は明らかに違います。人とのつながりがなく誰の助けも得られない状態が孤立であって、精神的に感じるものが孤独です。

孤独の時間は、自分と向き合う時間になります。
自分の在り方や人生について考えることもできます。

しかし、世の中の常識に沿って生きている人にとっては、そんな時間は苦痛でしかありません。
哲学者でもない一般人が、一生かかっても答えがでないかもしれない難しい問題を考えても悩みは増すだけです。みんなと同じように世の中の流行を追っかけて、周りの人たちとたわいもない世間話で盛り上がるほうが楽しいし、よっぽど有意義のように感じます。

孤独感に押しつぶされないためには

もし、あなたが下記のような要素を持っているなら、孤独になることを選んだ人だと言えます。孤独感はあなたが望んだことの代償かもしれません。

☑自由が好き

☑自分の時間を大切にしたい

☑1人でも楽しめる

☑1人が好き

☑1人でいることに慣れている

☑人といると疲れる

☑群れるのが苦手

☑話すのが苦手

☑世間話が苦手

☑人に合わせるのが苦手

☑内向的

たとえば年齢を重ねるほど友だちが増える人と減る一方の人とがいますが、友だちの数に一喜一憂する必要はありません。価値観が合わない人たちと無理して付き合う必要はないと思います。

気の合う仲のいい友だちに囲まれていると思っても寂しいと感じてしまうのが人間です。寂しいからと友だちを作り付き合っていくことがあなたの孤独感を本当の意味で癒すことにはつながらないのです。知り合いがいて孤立無援でなければ、孤独感があっても大丈夫なのです。

わたしは、自分の主義主張を曲げたいわゆるお付き合いで、こころをすり減らすくらいなら、孤独でもいいと考えます。もちろん、孤立してしまうと問題は発生します。周りの人たちとしっかりつながっていた方が人間社会で生きやすいのも確かでしょう。

とはいえ、「寂しすぎる」、「1人で行動できない」、「1人は恥ずかしい」なら、積極的に友だちやパートナーを探した方がいいと思います。あきらめないで頑張れば、あなたの孤独を癒してくれる人が現れるかもしれません。

孤独感に押しつぶされない方法

いくら1人に慣れても、強い孤独感に襲われて押しつぶされそうなときがあるはずです。
そんな辛いときにすぐできる方法は、自分を憐れんで「わたしはなんて不幸なんだ。」と考えないことです。

周りの思惑やあなたへの評価なんてどうでもいいことで意味がないことだと思うようにしてください。
とにかく自分についていろいろと考えるのをきっぱりとやめることです。
そのかわり世界で起こっていることや周りの人たちに関心を向けるようにしてください。
いつも会う身近な人たちに興味をもって理解できるように心掛け、喜んでくれそうなことを少しだけしてください。たとえばあなたの許容範囲で話を聞くだけでも構いません。

時間やお金に手間も掛かるけれど、孤独を癒す鉄板は、やっぱりペットや植物が効果大です。
生きものが無理なら、ぬいぐるみやアレクサをはじめとするスマートスピーカー、没頭できる趣味なども孤独感を忘れさせてくれます。
人によっては、お掃除ロボットでも孤独を癒してくれるアイテムになります。気分が和む好きなものを身近に置くだけでもいいかもしれません。

孤独の達人~それでも孤独を抱えて生きていく~

人はみなこころの中では、「ひとりぼっち」です。

1人寂しくしている人も大勢で楽しそうにいる人もみんな孤独と闘う仲間だと言えます。

本当の孤独を知っている人は、こころが自由な人です。

孤独と自由は仲良しです。

孤独を知ることは、人間の本質をみつける糸口になります。

『世界で一番恐ろしい病気は、孤独です。』

とは、マザーテレサの名言です。

孤独を病気に例えた言葉ですが、寂しさを癒すことができれば、孤独は怖いものではなくなります。

孤独から自由になって、孤独を楽しめるようになれれば、最高の自由とともに贅沢な時間を手に入れることができます。

その証拠に個人主義の傾向が強くなった現代では、孤独を楽しむ人が増えてきています。

人生も後半、寂し気に「ひとりぼっちで生きていく」と考えるより、孤独を愛し「おひとり様でも生きていける」覚悟を持てれば鬼に金棒です。

孤独の力を知れば、孤独と上手に付き合えるようになります。

そうなればもはや孤独は、敵ではありません。

人と上手に関わっていきながらも孤独も満喫できる孤独の達人を目指しましょう。

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