不機嫌な人との付き合い方
相変わらず、感染症の新型コロナが大流行しています。外出時のマスクや巣ごもり状態にだいぶ慣れてきたとは言え、ストレスを感じない人はいないのではないでしょうか。
マスクをして表情が隠れるようになったことはせめてもの救いですが、新型コロナに関係なく、不機嫌な人は不機嫌です。不機嫌な人は、なぜイライラして不機嫌になるのでしょう。
不機嫌な人になる原因(理由)
不機嫌になる原因は、いわゆる欲求不満です。欲求不満が顔(表情)に出ると不機嫌顔になります。単純に睡眠不足・疲れなどの身体的な不調もあれば、「嫌なことがあった!」などのような心理的なこともきっかけですが、周りからするといい迷惑ですね。
人は誰しも、「認めてもらいたい」、「好かれたい」、「思い通りにしたい」など様々な欲求を持っています。そして、どんな人も自分の「期待通りになること」を望んでいます。その期待が裏切られ、うまくいかないと不満や怒りが生じるのです。その場で言葉を使って、相手に上手に伝えられればまだいいのですが、なかなかそうもいきません。
多くの人の場合、不機嫌になることで意思表示することになります。逆に笑顔を取り繕い、ためこんでしまうと、何かをきっかけにして爆発します。
不機嫌な人の心理
不機嫌な人のこころには、自己評価の低さと甘えが隠れています。
自己評価が低く自分に自信がありません。自分自身で認めることができないので、どうしても他者からの評価に敏感になります。
不機嫌な人は、面と向かって自分の意見を口にすることはできません。相手からけなされたり、否定されることを恐れているからです。そのため、自分の怒りや不満を素直に口に出して言えないのです。口で言えない分、視線を合わせない・黙り込む・ものに当たる・否定的になる・・・などの態度で表します。
いつも不機嫌な人は、すぐイライラします。不機嫌になる人は、一般的に固定観念が強すぎたり、思い込みが激しいタイプです。融通が利かないので、自分の型にハマることを望みます。本当なら自分は自分、他人は他人のはずなのですが、察することを重要視するおもてなしの国の日本人は、相手への期待が大きくなるのかもしれません。
不機嫌をぶつけられる相手は、不機嫌な人の甘えを受け入れてくれる人や不機嫌な態度をしても大丈夫な自分より立場が弱い人です。
相手をちゃんと選んで不機嫌な態度で接するなんて、まさに自分に自信がなく、他人に甘えている証拠と言えるでしょう。他人に対してそんな失礼なことをする不機嫌な人は、精神的に未熟だと言っても過言ではないようです。
不機嫌な人に振り回される人の心理
不機嫌な人に振り回されてしまう側の心情には、自分を責めるパターンと相手を責めるパターンがあります。自分を責めてしまう人が無視されれば、「声が小さかったのかな?」、「何か悪いことをしたかな?」と考えます。一方、相手を責める人は、表に出さなくても内心ムカつきます。
どちらにしても、大切なことは不機嫌な人に動揺し、振り回されないことです。不機嫌な人は、子どものようにわがままな人です。意図的でないにしても不機嫌になることで、相手をコントロールしようとしているのです。不機嫌な人の罠にまんまとハマるのは愚の骨頂かもしれません。
不機嫌な人は、勝手に不機嫌になって、不機嫌を表に出してまき散らす自分勝手な人だと考えるくらいがちょうどいいのかもしれません。
不機嫌な人の対処法
わたしのように他人の顔色をうかがう癖がある人間は、不機嫌が顔に出る人とは相性がよくないです。きっと見た目が弱そうな人も当たられそうなので、相性が悪いでしょう。気を許していると言えば、聞こえはいいのですが、当たられる方は大迷惑です。
不機嫌な人にいつも振り回される側からすると、不機嫌になったもん勝ちのように思えてしまうのも仕方ないかもしれません。そういう意味ではわたしは負け組です。しかし年輪を重ね、少し利口になってめんどくさがりになった最近では、放置することを覚えました。距離を空けると相手は「あれ?」と思いますが、それでもほっとくようにしています。影口が聞こえてきても、気にしないようにします。悪口が聞こえるとさすがにショックですが、しょせん、そういう人とはそういう関係なのだと諦めるしかありません。
一時的に嫌な思いをしても、これから先の二次災害、三次災害・・・を回避するには、物理的に離れるのが一番良い方法です。
ベストセラー『嫌われる勇気』のもとになったアドラー心理学を確立した精神科医のアルフレッド・アドラーは、自分の問題と他者の問題は別であることを説いています。あの人の不機嫌は、あの不機嫌な人の問題なのです。どんな理由があっても、あなたの問題ではありません。自分から飛び込んでいく必要はないのです。雰囲気が悪くなっても放っておきましょう。
万が一、あなたに原因があったり、仕事に支障がでるようなら、ご機嫌うかがいをして必要最小限の接触にとどめましょう。(それでも困るなら、周囲や上司に相談した方が良いでしょう。)
大人の不機嫌は罪?
不機嫌は、他人にうつります。不機嫌を周りにまき散らすのは、法律に違反していなくも、人間関係を乱すという意味では罪になるかもしれません。欲望のままに泣きわめく幼稚な子どものような大人が少しでも減れば、世の中はもっと平和になるはずです。そうなれば、誰かの欲望の犠牲になる人もきっと減っていくでしょう。
もしあなたが何かにイライラして不機嫌な人になってしまったら、「~すべき」・「普通は~はず」という思考にハマっている可能性があります。すぐさま、1人で静かにこころの中を点検する必要がありそうです。
欲望は抑えきれなくても、せめて感情の整理は上手にしていけたらいいですね。
不機嫌な人が相手でもいつもニコニコ上機嫌、でも言うべきときにはちゃんと言えるようなアラフィフ女性になれる日がくれば幸いです。